history

ナベミノー(NABE MINNOW)SINSE1972

「ナベミノー(NABE MINNOW)」は、渡邊 裕によって生み出された伝説的なハンドメイドルアーです。
特にトラウトフィッシング、中でも芦ノ湖などでのビッグトラウト狙いにおいて、その高い実釣性能から長年多くのアングラーに愛されています。

ナベミノーの主な特徴
独特の形状「への字」に曲がったベンドボディが最大の特徴です。
この形状により、一般的な直線的なミノーとは異なる独特のうねるようなアクションを発生させ、スレた大型魚の捕食スイッチを入れます。
一つひとつ丁寧に手作りされており、バルサ素材の特性を活かした高いレスポンスを誇ります。アルミ箔を貼った仕上げ(ホイル貼り)など、美しい外観も魅力の一つです。
生産数が限られているため非常に希少価値が高く、釣具店に入荷すると即完売することも珍しくありません。
現在では、フィッシングショップノザキ などの一部のショップで取り扱われることがあります。
ベンドタイプ・・・ナベミノーの代名詞とも言える「への字」形状です。
水を受けると独得の「うねり」を伴うアクションを発生させ、特に低活性な大型トラウトに効果的とされています。

画像はNABE MINNOW Classic13cm

ストレートタイプ・・・一般的なミノーに近い直線的な形状です。
安定した泳ぎが特徴で、ベンドタイプと使い分けることで幅広い状況に対応できます。
5cmや13cmなど、ターゲットやフィールドに合わせたサイズ展開があり、フィールドや狙う魚種に応じて、以下のようなサイズが展開されています。
•5cm: 主に渓流や管理釣り場、小規模河川向け。
•7cm / 8cm: 渓流から中規模河川、湖のキャスティングまで幅広く使える汎用サイズ。
•9cm / 10cm / 11cm: 本流や湖でのビッグトラウト狙いにおける定番サイズ。
•13cm: 芦ノ湖などの大場所で、特に大型の個体(スーパーレインボーやブラウントラウト)を狙うためのモデル。

仕様のバリエーション・・・アルミ箔を貼った「ホイル貼り」が基本ですが、アワビ(シェル)を貼った贅沢なモデルや、金黒、銀黒などの定番カラーがあります。
フローティング / シンキング: バルサ製のためフローティングが基本ですが、用途に合わせてウェイト調整されたモデルもあります。

渡邊 裕の三つの拘りとは
ナベミノーの作者である渡邊 裕は単なる「ルアー」ではなく、魚と対峙するための「漁具としての機能美」と「使い手への信頼」を極限まで追求しています。
1. 「への字」に込めた「生き物」の動き
最大のこだわりは、代名詞である「曲がった(ベンド)ボディ」です。これは単に珍しい形を狙ったのではなく、「弱った小魚が悶えながら泳ぐ姿」を忠実に再現するための必然の形です。
直線的なミノーでは出せない、左右に身をよじるような独特の「うねり」を、バルサ素材とこの形状の組み合わせで実現しています。
「規則正しい動き」ではなく、どこか「不規則で生命感のある動き」こそが、スレた大型魚を騙せるという信念が貫かれています。
2. 「道具」としての徹底した実戦主義
渡邊裕は、自分のルアーが「飾るための工芸品」ではなく、「現場で魚を釣るための道具」であることを重視しています。

ハンドメイドでありながら、大型トラウトの強烈な引きにも耐えられるよう、貫通ワイヤー構造など内部構造の堅牢さに妥協がありません。
自身のホームグラウンドである芦ノ湖などで、納得がいくまでテストを繰り返すことで知られています。その「現場のフィードバック」こそが、ナベミノーの圧倒的な釣果を支える源泉です。

ナベミノーの歴史

製作者渡邊 裕が、自身のホームグラウンドである芦ノ湖で「より確実に、より大きなトラウトを釣る」ために試行錯誤を繰り返したことから始まりました。
1. 誕生の背景
ナベミノーの歴史を語る上で欠かせないのが、芦ノ湖の伝統的な釣法「グリグリメソッド」(リールを速く巻いて止めるを繰り返す誘い方)です。
1970年代〜80年代:日本におけるルアーフィッシングの黎明期、輸入物のルアーが主流でしたが、芦ノ湖の賢い大型トラウトを攻略するのは至難の業でした。
渡邊 裕は当時の既存ルアーでは満足できず、「日本の湖のベイトに特化した、本物の動きをするルアー」を求めて自作を開始しました。
2. 「への字」の発見
ナベミノー最大の特徴である「ベンドボディ」は、偶然ではなく、「弱った小魚の動き」を追求し続けた結果、必然的に辿り着いた形状です。

直線的なボディでは出せない、水を押しながら「うねる」独得のアクションが、他のルアーに見向きもしない大型ブラウンやレインボーに劇的な効果を発揮しました。
この形状が確立されたことで、ナベミノーは「芦ノ湖の秘密兵器」として、コアなアングラーの間で伝説的な存在となりました。
3. ハンドメイドルアーの金字塔へ
1980年代後半から1990年代にかけてのハンドメイドルアーブームの中で、ナベミノーはその実釣性能の高さから、「リベット」「ハンクル」「ムラセミノー」などと並び、日本のハンドメイドミノーの最高峰の一つに数えられるようになりました。

4. 現代に続く職人の魂
現在も渡邊 裕の手によって一つひとつ丁寧に作り続けられています。

基本的なコンセプトは変えず、長年の経験に基づいた微調整が繰り返されています。
大量生産に走ることなく、職人としてのクオリティを守り続けているため、今なお「もっとも入手困難で、もっとも釣れるルアー」の一つとして、世代を超えて受け継がれています。
ナベミノーは、日本のトラウトフィッシングの歴史そのものを体現しているようなルアーです。

元々はトラウトフィッシングだけではない渡邊 裕。
バルサだけではなく、ナベジグに見られる素材等も積極的に取り入れています。